数え年と満年齢どちらでお祝い?
満年齢とは現在広く使われている年齢の事です。
七五三や長寿のお祝いをするにあたり、「数え年って何?」と疑問をお持ちの方も多いと思います。
タイミングにこだわるより“お祝いをする気持ち”こそが大切だと思われる方も多いかと思います。しかし日本古来の文化を知って納得の上でお祝いしたいですよね。
今回は年齢の数え方でつまずきやすいポイントを解きほぐすことで、分かりやすくお伝えし、簡単な数え方も最後にご紹介します。
また、数え年の由来などを知ることで、より充実した「特別な日」となりますことを願っております。
数え年と満年齢の歴史
日本で満年齢がメインで使われるようになったのは、ここ半世紀ぐらいのことで、それまでは日本古来の数え方として「数え年」が主流でした。
それに比べ懐石料理の前身「お膳」の歴史は1200年ほど前に公家社会で使われていた「折敷」(おりしき:足のないお膳のようなもの)から始まったと言われるので、「満年齢」がいかに最近使われるようになったか分かると思います。
その「満年齢」が入ってきたのは、今から約150年前の明治維新の頃。つまり、文明開化によって西洋の文明や慣習がどんどん入ってきた時代です。その頃に重要となるのは、諸外国と「同じ日時を共有」すること。日時が違えば当然、さまざまな不都合が生じるからでしょう。
そこで暦も太陰暦から西洋式の太陽暦に変わり、年齢の数え方も誕生日に年を取る西洋式に合わせようとしました。つまり、生まれたときを0歳とし、誕生日を迎えるごとに1歳増えていくという、お馴染みの「満年齢」の考え方です。
ところが、民間では数え年の慣習が続いたことで、両方の数え方が併用して使われることとなりました。その後、第二次世界大戦の終戦から5年ほど経った1950年にようやく『年齢計算ニ関スル法律』が施行され、数え年が公的には姿を消しました。この頃から、長く続いた数え年の慣習が徐々に無くなりましたが、伝統行事は数え年で行われていたものが多かったため未だに名残があります。
法律上の満年齢について
数え年では、正月に一斉に歳を取り、除夜(大晦日の夜)のことを「年取り」とも言います。
正月(年齢が加わる日)の前の日に年を取っていたのです。
そこで、関連することとして知っておくと面白いのが「法律上の年齢の加え方」です。
私たちは、誕生日当日に年齢が加わるものと思っていますが、法律上は誕生日の前日に年齢が加わると定められていて驚きます。
「なぜ4月1日生まれが早生まれに入るのか」と疑問に思ったことのある方も多いと思いますが、法律上は前日の3月31日に1歳加わるのだから3月度生まれと同じ扱い、という考え方になります。
数え年とは
なぜ数え年が理解しにくいのか、端的に示すと「1歳の長さ=365日とは限らない」からです。
数え年の場合は生まれた段階で1歳となります(0歳は無し)。そして、その後は正月が来るたびに年が増えていくというものです。
つまり、生まれた日から初めて迎える正月までが1歳というカウントをするので、生まれてから初めてお正月を迎えるまでの1年の長さが人によって異なるのです。
まず、「0歳」がないという時点で考え方につまずいてしまう方も多いかと思うので、簡単な例を挙げてご説明します。
数え年 1歳の長さの例
- 4月1日生まれの1歳の長さ =275日
- 12月31日生まれの1歳の長さ =1日
それ以降は正月ごとに年を取るので皆同じ365日(うるう年には366日)ごとに年齢を重ねます。極端な大晦日生まれの例を挙げましたが、12月生まれは1年目(1歳)の長さがひと月満たずに2歳になる、というのが数え年の考え方なのです。
簡単な数え年の計算の仕方
七五三の場合には、子どもが生まれた年(西暦)から今年の西暦まで指折り数えるのも分かりやすい方法ですが、ご長寿のお祝いの時には数え間違いも心配です。
そこで、シンプルに算出するには、こんな考え方はいかがでしょうか。
数え年 = 今年の誕生日時点での年齢 + 1歳
今年○○歳になる(なった)というのは満年齢で数える習慣がある以上、よく意識されているかと思います。上記の考え方では「今年の誕生日に何歳になった(なる)か」に1を足すだけなのでミスもあまり出にくいかと思います。
満年齢でお祝いするメリット
今までは「伝統行事」という性質ゆえ、古来の数え方「数え年」で七五三や長寿のお祝いを行うことが正式とされてきました。
ところが現在は「数え年」はもちろん「満年齢」で行っても良いとされ、新しい習慣である満年齢でのお祝いもメリットが見受けられます。
満年齢でお祝いするメリット
・親戚なども年齢を数えやすく、お祝いのタイミングを合わせやすい
・七五三ではご兄弟の成長度合いに合わせた柔軟なタイミングでお祝いができる
(例:満年齢で7歳の姉と数えで5歳の弟を一緒にお祝いする、など。)
・ご長寿のお祝いでは、実際に迎えた年齢を祝うことで喜びがさらに増す
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